床屋に行ってきた。
少しは伸ばそうかと思い2か月程さぼっていたが、鬱陶しくなり、元の丸刈りにした。
暑くなるこれからの時期、坊主頭が一番良い。

18歳時分の吾輩は、リーゼントだった。
20歳を過ぎてからは、パンチパーマだった。
しかし、脳梗塞の手術をした先輩が手術前に剃髪された話を聞いて以来は、坊主頭になった。
自分が頭蓋骨に穴を穿けられる場合に、手間取らない為である。

髭を剃る為に仰向くと、いつもの幽霊が瞼に映る。
我輩の目玉には、糖尿病網膜症からくる出血の残骸が在る。
普段は視野の邪魔をする残骸が、目をつぶっても見えるのだ。
それは、あたかも瞼の裏に住む幽霊のようだ。
幽霊は、赤い靄の中(たぶん、まだ出血しているのだろう)に切り株のように住んでいる。
就寝前の暗闇であろうが、床屋の明るさの中だろうが、どこでも見える幽霊だ。

以前に出血した時の右目の幽霊は、いつの間にかいなくなったようだ。
今は、最近出血した左目の幽霊がハバを利かせている。
古株の右目幽霊は、新しい左目幽霊に遠慮しているだけなのかも知れない。

もう、幽霊はいなくなって欲しいな~