女は仰天していた。

一緒に入浴していた夫が、突然倒れてしまい、身動き一つしないのだ。
先程までは上機嫌でワインを酌み交わしていた夫だった。

「病院に連れて行かなければ」 と女は思った。
119番の電話から、救急車はすぐに来た。
救急隊員が鳴らすチャイムの音を無視して、女は仕事をしていた。
「パンツを穿かせなくては」 との思いで夢中だったのだ。

夫にパンツを穿かせて、救急隊員の為に玄関ドアを開けるまでには10分以上もかかっただろうか

パンツを穿いて風呂場に横たわる夫を見た救急隊員は、女に告げた。
「生存の可能性は低いです。あと5分早かったら...」

女がパンツを穿かせるのに手間取った時間が、夫を死に追いやったのです。

救急病院に着けば、手術台ではスッポンポンにされてしまうことを女は知らなかったのです。

パンツを穿かせることに無駄に時間を取られずに、トットと病院に運びましょう