床屋に行って来た。
髭を当たってもらう時、いつも思い出すテレビドラマがある。
田村正和氏が演ずる 「床屋の店主」 と、坂上二郎氏が演ずる 「客の男」 の2人だけが出演するドラマだった。
少々ながら後ろめたい過去を持ち受刑経験のある店主が営む床屋に、ある日 散髪の為に来店した男は、店主の触れられたくない過去について色々と語る。 ソフトな恐喝というところか。
店主は どうしてそんなことを知っているのかと訝しがりながらも、通りすがりの冷かし客と思った男は それからも定期的に現れては新たな店主の過去について語りかけることが続く。
男が来店することに嫌気が差した店主は店をたたんだ。
営業を再開した別の土地にも男が現れ、依然と同じことを繰り返した。
閉店・開店が繰り返されたある日、ノイローゼになった店主は髭を剃る際に男の咽喉を切った。 男は死んだ。
裁判の結果、情状酌量となり店主は無罪放免された。
それから数日して以前と同様に床屋を営む店主の元に、見知らぬ差出人からの手紙が届く。
「あなたがこの手紙を見る頃には、私は死んでいるでしょう」 との書き出しに続く手紙は、男からの物だった。
そして、
男の家庭は経済的に困窮していた..自殺を考えたが、生命保険金を受け取る為に殺される方法を考えた..床屋で喉笛を切られれても裁判でも有罪とはなりにくい..その為の床屋を探していた..あなたには申し訳なかった
ことが綴られていた。

有りそうで現実味の無いドラマであるが、剃刀が咽喉に当たると このドラマを思い出しては不気味を覚える。