子供の頃に魚釣りが好きだったのは、親父の影響もあったのかも知れないが、他にできることがなかった為だろう。
子供同士で秘密の隠れ小屋を作ってみたりはしたが、すぐに飽きて集まる子供の数が減っていくので長続きしなかった。 子供の数が減るのは、親が危ない遊びをさせたがらなかったせいかも知れない。
その点 魚釣りは一人でもけっこう集中できる遊びだった。

釣り道具は、駄菓子屋の店先にぶら下がっている物だった。
当時で5円か10円程度と思うのだが、竿を除いた道具(浮・糸・針) がパッケージされて売られていた。
しかし、糸は太く、針はすぐに伸びてしまう粗雑な物だった。 少し大型の魚が釣れかかれば、糸が切れてしまう。
結局は親父の目をかすめて、針と糸を頂戴することになった。
浮だけは、独楽の形をした安物が気に入って、いつまでも使っていたっけ。

釣竿といっても、近所の竹藪から拾ってきた竹だったが、これまた見かねた親父が古い物を与えてくれた。
釣果の入れ物は、お袋の目を盗んで掃除用バケツを持っていくことにした。
ということで、恰好だけは一丁前の釣り人になることができた。

釣りの場所選びには、秋田の自然溢れかえる地域では不自由しなかった。
とは言うものの、子供の足では遠距離もままならず、だいたいが近所の川か沼に行く。
子供の頃から無精者だったのか、川では竿を上げ下げしなればならないのが面倒だった為、沼の畔で竿を入れてゴロ寝している事が多かった。 それでも、親子3人分の釣果はあり、食卓の1品になった。

釣りに行く時は、餌が必要である。
後になってからは餌にも色々な種類があることを知ったが、当時の儂は専らミミズを使った。
ミミズのいる場所を心得ており、釣りに行く前には掘っくりかえしては新聞紙に包んで持って行った。
渓流釣りもしていた親父が毛針を作る姿を見ては、ミミズを掘る自分の姿と比べ、恰好良いと思ったものだ。 

過日、当地の小川が河川改修の為に水が抜かれ、パジャマ姿の御同輩が溜まり水で魚釣りに挑む姿を見た。
あの小川に魚が住むのかは疑問であったが、暇な儂は散歩の足を留め しばし見学していた。

ミミズの匂いが懐かしかった。
子供時代に帰り、また釣りでも...と思う時間が過ぎた。

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