10日ほど前、携帯電話に着信があったことを知らせるランプが点滅している事に気付いた。 H.N.氏からである。

儂は退職以来、携帯電話への着信というものに ことさら無頓着である。
退職とともに、仕事の仲間や飲み仲間・遊び仲間等、それまで交際のあった人達とは一切の交際を絶った。
また、退職とほぼ同時期だった転居は、少ない親族にも知らせていない。
これらの仲間や親族は、当地の住所や電話番号等を知らせず、儂に連絡することができないようにした。
退職して間もない頃、部下だった者から 「資料を送りたいので、住所を知らせて」 という電話があったが、「会社に提出した退職関係書類とともに記載してあるから、そちらから調べろ。個人情報を個別に逐次教えるつもりは無い」 と冷たく断った。 以来、その類の連絡は来ないようになった。
一般的には退職の後で出す 「これまでの御礼に併せて、向後ともによろしく」 という挨拶葉書も出さなかった。
これで過去のしがらみの一切を絶ち、新しい人生を迎えようという所存であった。
そんなことから、携帯電話に掛かってくるのはイタズラ・マチガイ という理解である。 用が有る者は、自宅の固定電話に掛けるだろう。 携帯電話は、出先で儂が掛ける為の物という理解である。

過去を捨てるつもりの儂だったが、数少ない友人と呼べる者とだけは死ぬまでお付き合いいただきたいと思い、お知らせした。 H.N.氏は、その1人であり、儂とは同じ歳だ。
H.N.氏とは飲み仲間のK.K.氏を通じて知り合い、同じ年だった為なのか(?)、彼が南国の鹿児島県人であった為か(?)、奇妙に馬が合った。 親父の葬儀に際しては、会計一切を引き受けてもらった程のお付き合いである。

そんなH.N.氏からの電話であったが、掛け返したのは数日経ってからだった。 用があれば再び掛かってくるだろうと思った為だ。 しかし、再連絡が無いので、山中温泉への出立前に彼の自宅に電話してみた。
懐かしい奥方としばし世間話をした後、H.N.氏と替わった。
聞けば、「ことさらの用は無いが、声が聴きたかった」 とのことだが、言葉の端々から 向える退職後を相談したかったように聞き取れた。 奥方が傍にいたので、話し難かったのかもしれない。

儂は62歳の誕生日を過ぎて年金の満額受給資格を持った時期に退職したが、仕事が趣味(?) のH.N.氏は65歳の肩叩き年齢まで勤める道を選んだ。 しかし、65歳を過ぎた今、来春には現在の会社はオサラバしなければならない。
退職後に、再就職するか(?) 否か(?) を迷っているように聞こえた。 しかし、ハッキリとは口にしない。

退職という それまでは同じ会社のぬるま湯に浸っていた環境が変わることは、悩み多き人生の転換期だろう。
その悩みを相談する相手は、身の回りには少ない。 普段から飲み仲間との談笑では それらしい話題には登るが、イザ真面目に考えて相談できる者は少ないだろう。
男としては、たとえ長年連れ添った妻と言えども、弱みを見せるようで相談し辛い内容なのかもしれない。

H.N.氏との電話は、「お前が元気なら良いんだよ」 と言う彼の言葉で終わった。
彼は自宅にパソコンが無く、e-mailでの連絡もできない。 儂から郵便を送っても、筆不精の彼は電話を掛けてくる。
そんなことで、何を言いたかったのか(?) 、何か聞きたかったのか(?) は判らず終いになっている。

また一昨日、携帯電話にH.N.氏からの着信ランプが有った。
普段は携帯電話を持ち歩かず、着信音を消してバイブレーターにしている儂だが、H.N.氏が落ち着くまでは着信が判るようにセットしなければイカンかな~と思うこの頃だ。

そろそろ、年賀状の時期になった。 今日は、11月3日の文化の日。 今年の残りは58日。

蛇足ながら  沈黙の爺にブログ
退職後にも旧友との親交を図りたいと思えば、自宅パソコンとe-mailは必需品であろう。
会社から貸与されたパソコンしか触ったことが無く、セッティング等に不安を感じる人でも、今どきのパソコンは購入すればすべてセッティングしてもらえる。 それまでは会社でe-mailは勿論のこと 一通りのパソコン操作は行っていたのだから、触ることはできるだろう。
購入を躊躇っているのなら、年明け早々にはWindows10が発表されるから、会社で使い慣れたWindows7を搭載した機種がある内に早めに買ったほうが良い。 いや、既にWindows8.1の時代になってしまったかも