2日ほど降っていた雪だが、今日は小康状態である。 幾分と温みを感じる朝となった。
篭もりっきりでいたので、お出かけでもしたいような気分である。

お出かけと言えば、この時期の必需品はコートだ。
我輩が幼少の頃、親父どものコートといえばオーバーコートであった。
北国の秋田で寒さを凌ぐ為に、やたらと厚みがあるコートが多かった。
裕福な人は羽毛入りか毛皮を着ていたが、地方公務員の親父は そんな物を着れず、毛糸を織り込んだような厚くて重いオーバーコートを一張羅として愛用していた。
ある時、東京からの物産展が開催され、表面が(今で言う) 撥水加工され 内に羽毛を敷きこんだコートを買い込んできた。 これが とても暖かく軽いので、親父の愛用品となってしまった。

我輩が上京し仕事に就いてからは、そのコートを借りていた。
ある時我輩が、映画 「007」 を見て、トレンチコートなる物を買ってみた。 バーバリーの本物を月賦で購入だ。
粋がって街中を歩いてみても、同じく 「007」 に憧れたであろうトレンチコートを着用した同年代の連中で街があふれかえっていたっけ。
着れば着るほどに体に馴染むトレンチコートは、暖かくて恰好良かったな~
しかし、月賦の支払いが完了した頃には、中身が太ってしまいトレンチコートは箪笥の肥しとなってしまった。

物に溢れ返っている現代では、カシミアなどの 昔は高価だったコートを着た若者が闊歩している。
昔なら、「訪問先の者が着るよりも高価な物を着て営業に行くのではない」 と上司に叱責されたが、最近では そんなことは無いようだ。  もっとも、最近のカシミアは安物が多いらしいが

当地の閑散とした場所を暇な爺が散歩するのに、トレンチコートは不似合だろうな~  怪しい人物になっちまうよ
トレンチコートを着て、ブラリと喫茶店に立ち寄って煙草でも楽しめるような...そんなところで過ごす老後もよろしいのかも知れない。