鹿児島に出張した。 時期は忘れたが、昭和40年代の夏である。
東京駅から直通の寝台車に乗り、到着したのは鹿児島駅。
早速、鹿児島支店に挨拶に出向くものの、月曜日であった為、担当者達は既に出払っていた。
その為、課長が運転する社用車で現地視察を行うことになった。

当時の鹿児島支店では、月曜日に事務所に出社すると社用車にてそれぞれ現地に出向き、現地視察の結果は現地に近い宿 (ホテル・民宿等) にて取りまとめ必要に応じて現地に出向く...これを繰り返しては、週末に事務所に戻るという体制で仕事していた。 まことに大らかなことである。

さて、我輩を連れて行ってくれた課長は根っからの鹿児島人であった。 出世する過程で福岡にある九州支店に在籍した経験があるものの、話す言葉は生粋の鹿児島弁である。
現地に向かう道中は、直行すれば2時間程度のところが、東京から来た我輩に気遣ってくれ観光ルートを通ってくれるものだから倍近い時間が掛った。
その間、鹿児島弁で観光案内してくれるのだが....さて、これがチンプンカンプンなのだ。
昼食は、もちろん鹿児島名物を出す店に連れて行ってくれた。
一応、現地視察を済ませ宿に向う途中で、酒屋に立ち寄り焼酎を仕込んでいた。

当日の宿 (24時間入浴できる源泉掛け流しの温泉) では、夕食のオカズと言うよりは晩酌のツマミが並んでいた。 携帯電話なぞ無い当時、昼食時の店から電話して手配してくれたもののようだ。 そう言えば 「あなたは、焼酎を飲めますか?」 なんて聞かれたっけ。

本場の焼酎を美味しくいただき、朝の5時頃に目覚めたら 隣に寝ているハズの課長がいない。 どうしたことやらと宿に尋ねると 「朝風呂に入っている」 とのことで、我輩も追いかけて朝風呂に入った。
朝風呂にて課長曰く 「昨日は4合瓶を買ったのだが、今日は1升瓶にする」 とのこと。 そう言えば、昨夜は宿に酒を追加注文して飲み明かし状態であった..と思い出した次第。 二人で 良く飲むもんじゃ
二日酔い抜きの朝風呂から上がり、しこたま朝飯を食べ、今日の新しい現地...と言えば恰好良いが 実は観光に向う。 どこに行ったのかはサッパリだが、 曽木の滝を印象深く覚えている。

鹿児島に到着した1週間を こんな生活で過ごした。
その週の最後は、錦江湾に程近い料亭に支店の連中も集い、我輩の歓迎会である。
課長と同行したそれ迄とは違い、我輩と同年代の若い衆と酌み交わす焼酎が美味かったことは言うまでも無い。
明けて翌日、鹿児島到着から6日目にして、これからの1ヶ月を過ごすハズの宿を案内された。

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