北海道の北見市に1ヶ月の出張をした。 先の札幌出張の後だから、昭和46年頃だろうか。

飛行機嫌いとしては、東京駅-青森駅間を長距離列車で、青函連絡船に乗り、朝に札幌駅で石北本線に乗り換え北見駅に到着するようにルート設定した。
先の札幌出張の際 厚着して風邪を惹いたことに懲りたこともあり、出張時期が初秋だったこともあり、軽めの服装で鉄道に乗ることを心掛けた。
話が飛ぶが....今回 北見に出張となったのは、「我輩の前に北見に出張した先輩が失踪し それを捜索する」 という隠れたテーマが有った。 失踪事件が無ければ、我輩は夏の出張予定だった。
北見に到着するなり出張旅費として30万円程を受け取った先輩が、歓迎会の後でキャバレーに行った迄は知れていたのだが 以降行方不明となり、「金を盗られて、北海道の荒野に捨てられたのでは」 とか 「キャバレーのお姉さまに騙されて、監禁されているのでは」 とかのことで、内密ながら警察騒ぎになっていた。
高卒の給料が2万円程度の頃の30万円だったから、盗られて殺される事も想像された。
東京の支店長迄が捜索に出向く騒動になったが見つからず、我輩が出張を終えて帰京してから半年後、札幌でタクシードライバーをしているところを 偶々乗り合わせた東京からの出張者により発見された。
そんな事情もあっての出張だった為、昼過ぎに到着した北見事務所で挨拶を済ませると 失踪者と同じ東京者に向けられる視線を感じながら早々に宿に入ることになった。 出張旅費の支払いは帰京時迄お預け
宿は、1部屋に2~3名が泊まるタイプの和室だった。 昔はよくあるタイプの宿である。

勤務時間が過ぎると、他の支店からの出張者達が宿に戻って来て、我輩と相部屋となる相方と顔を合わせた。
夕食を済ませ、歓迎会も無いままに ブラリ町に出かけた。
キャバレー・スナックが乱立する五条通りでは客引きが多く、どうも入店する気になれない。 食事後だったので、やたらと目立つ焼肉屋も考え物...等とぶらつくうちに 田舎町にしては小奇麗な飲み屋を見つけた。
結局 北見滞在中は その飲み屋で飲むことを楽しみにしていた。
うら若いママさんの 嘘か本当か わからない身の上話に絆されて、帰京する際に中島みゆき氏のレコードアルバムをプレゼント。

北見事務所から紋別の現場視察に社用車で出向いた帰り、途中の山道で車の鼻先が見えない程の濃霧に出くわし、車を降り歩いて先導したことは怖い記憶である。

帰京時に札幌に向かう特急で 網走刑務所を出所した元・受刑者と仲良くなり、彼が焼いたというトックリを頂戴し想い出の品となった。

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