親父の入浴時間は長かった。
湯治先の温泉で2時間近く浴場に居るのはまだしもとして、旅行先の温泉地でも1時間は入浴していた。
自宅の風呂でも長風呂で、顎までドップリと20分ばかり浸かってから体を洗う事を繰り返すから、1時間となる。
正月等では、食事を待ち受けている家族を尻目に長風呂されるのには、なかなか焦らされたものだ。

入浴時間は人それぞれで、長湯の人や、カラスの行水の人など色々だ。
男性の場合、躰を洗う作業に掛かる時間には差異が無いだろうと思うのだが...湯に浸かる時間の差だろうか。
女性の場合は、髪の長さや、踵のお手入れで、湯に浸かる時間以外にも時間が掛かるのだろうか。

我が家の場合は、俺は勿論、女将もカラスの行水である。 特に夏場は、風呂ではなくシャワーばかりだ。
短髪(ハゲとも言う) の俺は、ものの10分もあれば風呂場から出てくる。
それでも暇になった最近は、風呂に湯を溜めてなるべく漬かろうとも思うのだが、どうも儘にならない。
以前には子供の玩具のような物を見つけて浮かべてみたのだが、いつまでも風呂場にいる気になれない。
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女将も同様で、我が家の夏の浴槽は、干上がった大型の洗面器と化している。


そんな我々夫婦の温泉旅行では、生意気に浴場の貸切を利用する。
貸切浴場は、1時間程度の時間制限があるが、1時間も居たためしが無い。
とっとと上がって、「アチィ」ということで部屋で涼むことになる。

長湯が好きだった親父は、汗が引くまでは随分掛かっていたことを思い出す。
エアコンや扇風機が嫌いで、うちわをバタバタさせては縁側で涼んでいた。 最近の気候では涼まらないだろう。