いつもの散歩コースで「白杖」を持ってウォーキングしている人に出会った。
白杖(はくじょう) は、俗には「白い杖」と呼ばれるが、身体障害者福祉法での名称は「盲人安全つえ」である。
道路交通法第14条の規定により、「目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む)については、白杖の携行または盲導犬を連れる事」を義務付けされている。また、そうでない者が白杖や盲導犬を用いる事が禁じられている。

金沢市の繁華街や東京都心でも見かける事が少なくなった白杖を持つ人が、当地の知る人ぞ知る散歩コースを歩く姿は転居以来はじめて出会った。 しかも、中年と見受けられるその人は白杖を手にしているものの、かなりの速度でウォーキングしている。 軽い登山程度はできそうなリュックを背負いサングラスを掛けた颯爽とした装いはとても視覚障害者に見えない。また、白杖を携行するような失明状態にも見えない。
目が不自由であっても、あれぐらい元気に過ごせることは羨ましい事だ。

視覚障害者の歩行の助けになるように「点字プロック」が道路等に設置されている。
目に不自由を感じない人にとっては邪魔物だが、白杖を携行する者にとっては大いに助けになる物だ。
その点字ブロックの上に、車を停めたり荷物を置いたりしている景色があるが、視覚障害者は困っている。

また、道の真ん中だろうが、スーパーの出入り口であろうが、場所をわきまえないでオシャベリに耽る女性は、白杖を携行する者や車椅子が接近しても気に掛けてはくれない。
スマホに夢中の若者同様に、世の中には自分しかいないという人達なのだろう。

白杖のように法律で使用を義務付けされた物を携行する者に対してでも世の中は冷たい。
俺のような外見的には何も無いか(?!) の者には、愛の手が差し伸べられることは無い。
時刻表が読めなくても、接近するバスの行き先が見えなくとも、外見的には丈夫そうに見えれるのだから...
 最近は、厚かましく思われようと、他人様に尋ねることにした。 オシャベリに夢中のオバちゃんだろうと尋ねる。
最初は不審そうな顔をされても、「目が不自由なもので...」と付け加えれば充分に教えてくれる。
 尋ねる相手には一人でいる女子高生風が良い。 要点をかい摘まんで、簡潔に教えてくれる。
しかし、怪しい爺と警戒されないようにすることが肝心だ。

糖尿病連携手帳」のように、それを掲示することで自らの体力的な欠陥を理解してもらえるような物が欲しい。
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 それにしても、目というものは良くできていると、改めて感心する。 両目が有ってこそ有効に機能する。
片目では、立体感や距離感が無いことは勿論だが、視力にも影響するらしい。

(簡略して言えば) 片目づつ行われる視力検査では、左右とも1.5づつ有ってこそ両目での視力も1.5になる。
それが、左目1.5の右目0.5であれば、両目視力は1.0になるという仕掛けだ。 つまり、左右の目が互いに庇いあって両目の機能が発揮できるということのようだ。
その為、右目が正常であっても、左目が白内障であれば、両目での視認が白く煙って見えることになる。