初めてJR目黒駅近傍で飲んだくれた頃、駅前には映画館が在った。
寅さん映画を初めて見たのは、山手線の外側に在り今は無き目黒キネマであった。
未だに目黒シネマという映画館が山手線の内側に在るが、こちらの世話になったことは無い。

駅側に面した目黒キネマの裏側には三角地帯と呼ばれた汚い飲み屋が軒を並べる場所であった。
間口が1間半程度のカウンター式飲み屋にはトイレが無く、三角地帯の中にある共同トイレを利用していた。
それでも数軒は自前のトイレを持ち、店の奥にある狭っ苦しいトイレ出入り口から身をよじりながら用足しに行くのだ。
それぞれの飲み屋は、トイレ出入り口としてでは無く 裏口的に似たような出入口を持ち、店の裏には狭い通路が存在していた。
店の人間は勿論のこと、馴染みの客も裏通路を利用していた。 そもそも裏通路の存在意義は、店で意気投合した者通しがコッソリと利用できる為の売春用だったようだ。
この三角地帯の裏道は半村良氏の作品で、タイムトンネルのモデルとして書かれている事を聞いた。

そんな飲み屋で飲み明かしては、深夜営業している映画館で宿泊施設代わりに爆睡するのだから、どんな映画を上映していようが知るところではなかった。
煙草も酒も、好き放題に持ち込みできる時代のことだ。

既に無くなった映画館は多い。
昭和45年頃までは、旧・都庁の傍に在った映画館は高速道路工事で消え、今ではJR京葉線のホームと化している。



銀座4丁目の三原橋地下街には3軒ほどの映画館が在ったが、どうなったことやら
いわゆる『エロ映画』等を上映していたが、三原橋交番が目の前だった為か(?)、さほど過激な内容は少なかったらしい。 三流映画を安く見られたので、暇つぶしには もってこいだったね。


東京圏の住まいだったら、その辺を探訪したいものだ。
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目黒雅叙園の坂を下り、田村電機を過ぎた所にF.H.のアパートがあった。
環六に面した2階の6畳間には、よく泊めてもらった。