横浜にいた頃からのものを転載した(下ほど古い)
※2013/09/11時点の過去5年以上の投稿を移築した。
関連:昔の川柳を転記-1 / 昔の川柳を転記-2

東北の人情と町並みは津波に消え 東京の人情と町並みは人波に消え
かなかなと 産声聞かぬ暑空に 抜け殻残して 盆が過ぎ
女子高生 素股が寒そな 東風
メタボ気にして生きるより 正気の内に 死ぬ工夫
老人は死なず ボケたまま いつまでも生きる
長老はボケず 或る日静かに死にゆくのみ
人並みに 初詣にて祈願する 明日の安全 人波に消え
雲は巻き 地竜顔出す大和では 星の変化に涙する人
愛なんて 重みの見えぬものよりも 君の尻見て 安堵するなり
幾年月 共に過ごせし君だけは 流す涙が 同じ味わい
愛でしか繋がるもの無し貧乏人 子供で繋がる金の有る奴
傘さして 片袖濡れて帰るとは 粋を通って 野暮の骨頂
遊びが無い奴ァ 所詮は野暮よ バネが折れたり きしんだり
鳴けといわれりゃ 鳴いてもみしょが いつが夜やら朝間やら
暮れ近く 無事に過ごせし今年より 迎える年を 倹しく暮らさん
想い出の 瞼に浮かぶナナカマド  枯れし紅葉の 仲間居ずとも
またひとつ 重ねる年は 引き算か
うるささや 岩にもあまる 蝉の声
モニョモニョと 文句引きづり 蝉が飛ぶ
墓参り 爺と婆が手を繋ぎ どちらが先でも 楽しそうかな
南天の 種を枕に 寒雀
人肌の 酒に浮世の 寒忘れ
松取れて 杉が飛び行く 花の時期
仕事まで 塵と纏めて 捨てる納め日
枯芝に 香のみ残して 菊の花
山粧う 姥も髪など ときすかし
名月を 浮かべて飲み干す 今日の酒
笑い飛ばして生きるのが 楽しいものだと 見つけたり
ひとしきり 蝉の声して にわか雨
死ぬ前に 生きたしと思う 未練かな
しるべ無い 荒野の果てに 洒落首
何人も 悲しからずや柴桜 人来ぬ庵に 主無きとて
静かなり 妻居ぬ家で 一人飲む酒
強風に なびく藤花 春おわり
見事かな 人来ぬ山で 桜花咲く
さよならは 云わないはずの別れにも 今宵しずかに 桜雨散る
美人でも 立ち食い蕎麦は すすり食い
身体より 心が寒い 秋の風
涙して 行く末悩む 人悲し
悩むとて 所詮は 自分が決めること
十五夜の 秋刀魚 甘いかしょっぱいか
あまりにも 早くに逝きし君故に 月の世界にいるかとぞ想う
木枯らしは 吹き去りし後は暖かし 人の心は しこり残れど
友逝きて 心の花をたむけども 明日は我が身と 思うこの頃
勝手に乾ばれ 日なたの野糞 お前どうなろと 誰ぞ悲しむ
枯菊の 葉陰も虫の 宿りかな
ちぎれ雲 下界の年越し見下ろして 黄昏の中 北へ旅いく
来る年に 平和を祈る 晦日夜
新年に 向けて今年は店仕舞 皆の幸せ 祈る晩酌
日が暮れて 目覚めた朝は 新年か
眼に映る 景色は今日も変わらねど 心の中で 景色がゆれる
あまりにも 汚れし俗世に咲く桜 寒さの中こそ 美しく見え
在りし日に 留めずに呑ませりゃよかったと 悔やみつ たむける墓前酒
さよならと さよう御鳴良と で 別れ告
真近にも 桜花咲く地を離れ 一人楽しく 北を旅する
網走の 塀の表で主を待ち 寒さに堪える北国の春
感慨を 捨てた心の片隅で 響き渡るや 旅崎の氷音
行きずりに 人は訪れそして去り 温故知新の懐かしさかな
改札の 隅で主待つ老妻に 哀れ覚えし 我が身重ねて
過ぎし日を 思い病んでも知れたこと 今宵乗り出す 時の浮き船
明日来ぬ者が 明日を夢に見 嘆いてみても 所詮せん無き
花冷えが 心に染みる今宵には 友の想いと燗酒を干す
咲かされて 散らされていく桜には 今年の季節 如何映らん
生き別れ 死に別れするこの世なら あの世で君と 添い遂げる日々
ぼうふらも 人を刺すよな蚊になるまでは 泥水飲み呑み 浮き沈み
晴天の 海を背に咲く白梅は 行き交う船より なお白きかな
妻の名を 忘れたままで祝う母の日
北帰行 インフルエンザを 置き土産