今日のセーリングは、少し遠出した。
人類と自らを呼んだ生物が、自ら招き、その為に滅亡したという第三次世界大戦から既に3万年程が過ぎた。
世界大戦で地球中に撒き散らされた放射能は消えたが、核兵器により地球温暖化に拍車を掛けた水面上昇は維持されたままだ。 しかし、魚類から進化した私には、水面上昇により居住環境が拡がったことは歓迎すべきことだ。

人類が所有するすべての核兵器によっても、地球のプレートは破壊されることが無く 昔のままだ。
水面上昇による水没を免れた高山地帯には、核兵器の焔を逃れることができた人類の生き残りが僅かながら住み着いている。 人類とは呼ぶものの、核兵器の放射能により、絵本で見るような昔の面影は無い。
我々魚族は、人類の成れの果てを飼育することで、人類の「種の絶滅」を防いでいる。
人類の飼育場は、我々の住む海にほど近い水深100mの場所にしている。 レンズ状の中に空気を貯め居住地とし、食料は自由に採取させている。 食料採取の際はレンズからレンズに移動する程度には泳げるようだ。
知能だけは多少進化している人類を 下僕代りに用いている魚族もいるが、身勝手で嘘をつく人類を用いるのは大変だと嘆いていた。 今日は、友人から人類を1匹借りてのセーリングである。
太平洋プレートを通過しフィリピンプレートと交わる場所迄セーリングを進めた時、連れてきた人類がソワソワとしだしたことに気づいた。 水中を進むヨットの中に人類用として作った空気を入れた透明な容器を叩いて、人類の動揺ぶりを止めようとしたが、動揺が治まらない。

人類が見る方向には、海藻にまみれてはいるが廃墟のような物が見えた。
コンクリートで出来ていると思われる廃墟は、海面下100mのこの場所一面に広がっているようだ。
100m程の高さの廃墟は、水没して昆布等が繁茂している。 日光の届かない水深下でも、廃墟群の存在が判る。
中には100mを超える建物も有るようだ。 海面上に突き出していることが推測された。
騒いでいる人類をおとなしくする手段と、私の好奇心を満たす為に、水中ヨットを海面に浮上させてみる事にした。 

浮上した私の目には、乱立する高層ビルと、とても高いタワーが飛び込んできた。
彼方には、藤壺のような山が望める。
同行した人類が興奮した様子で 「スカイツリー」・「フジサン」と言うのが聞こえた。
私は、その人類が「日本族」であることを思い出した。 私は、「日本」という島を発見したのか。

3.沈んだ未来 - 騒ぐ日本族
2.日本発見
1.そして日本人が消えた
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南海トラフ地震Xデーは近い!? 地殻変動に警戒感 (1/2) 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
日本沈没 2006