あれは確か高校生の頃だったと思う。
部活帰りの店先でコカ・コーラのホームサイズを飲む事が流行ったことがあった。
大汗をかいた若い身体が要求していたのかは判らないが、部活の後にホームサイズをラッパ飲みできるとか、できないとかを競ったものである。
炭酸飲料の一気飲みはゲップを抑えながらの行為であり、なかなかの至難の業であったように記憶する。
別に飲み干したからといってどうということも無く、殊更の達成感らしきこともないのだが、なぜか「どうだ」的なことで盛り上がっていたように思い出す。速さがどうだとか、途中の息継ぎがどうだとかも採点の対象だったかも知れない。
しかし、あれは飲み干す行為自体よりも、秋田の田舎町で当時は出始めであったコカ・コーラのホームサイズという文化に触れる事と、それを高校生の財布から購入する事ができるか否かの競いあいだったのかも知れない。
いずれにしても、あの量の炭酸飲料を飲み干してゲップを抑えることは、なかなかの技量であった。
後に社会人となり、胃のバリューム検査の際に何やら炭酸飲料を飲ませられたが、高校時代のコカ・コーラ一気飲みの鍛錬が無かったなら苦しかったかもしれない。

潜水士の国家試験を保有し、スクーバダイビングのアドバンス級ライセンスの俺だが、正直のところ炭酸飲料の一気飲みは得意ではない。最近になっても、ビールを一気飲みするのであれば、同じ分量の焼酎とかウィスキーの水割りのほうが飲める。なんなら日本酒でも飲む自信はある。しかし、ゲップは嫌いだ。

最近の新型コロナによる肺炎は重症化する人も少なくないらしい。間質性肺炎の俺としても、色々な荒療治の事を漏れ耳にすると、あまり管を突き刺されて大げさなことになるよりは、それとなく...とも思う。
しかし、医療従事者としては乗りかかってしまえばそうもいかないのであろう。患者の立場の俺としても、今でこそ「きれいに死にたい」的なことを思い描いていても、いざとなれば「助けてくれ」ということになるのかもしれない。
いずれにしても、炭酸飲料を一気飲みすることができようが、海中散歩を楽しむことができようが、事、肺炎となれば無関係ということらしい。むしろ、コカ・コーラの糖分過剰摂取により糖尿病になってしまった者は肺炎の治療に不都合がある場合も...とかを聞くと、若気の至りは慎むべき...と思うこの頃也。